TECHNOLOGY 植物バイオテクノロジー

遺伝子組換え植物

現状

 遺伝子組換え植物とは、種の異なる生物の核酸を、人為的に加工、導入した植物のことで、自然界に見られる異種の生物の核酸の導入や、同種の植物の遺伝子や核酸を導入したものは遺伝子組換え植物には含みません(カルタヘナ法)。この新しい技術によってこれまで交配では作り出すことのできなかった有用な形質を示す遺伝子組換え植物が登場しました。この遺伝子組換えという新しい技術を使って除草剤耐性、害虫抵抗性などの遺伝子組換え作物が実用化されてからすでに20年以上が経ち、国際商品作物であるトウモロコシ、ナタネ、ダイズ、ワタを中心に世界の遺伝子組換え作物の作付け面積は増加を続けています。日本は多くの遺伝子組換え作物を輸入していますが、日本国内では食用の遺伝子組換え作物の商業栽培は行われていません。
 遺伝子組換え作物は新しい技術で作られた生物であるため、作成された品種ごとに栽培に際して環境への安全性と食用としての安全性が各国で審査され、認可されたものだけが栽培され、食品として流通しています。日本における安全性評価とその仕組みについては関連サイトとして記した厚労省、農水省などのリンクにて詳細を知ることができます。遺伝子組換え食品の表示については消費者庁のリンクで見ることができますが、遺伝子組換え作物由来かどうか確認する技術が開発されていないものは、表示義務がありません。しかし、遺伝子組換え作物由来であると確認する技術が開発されれば、表示が義務付けられるように規則が改正されます。このように遺伝子組換え作物、作物由来の食品についての表示は検出技術の進歩に伴って変わっていくものなので、常に現状を確認することが大切です。

遺伝子組換え植物の具体例

1996年に遺伝子組換え植物の商業栽培が始まりました。主たる植物(作物)は除草剤耐性 のダイズやナタネ、害虫抵抗性のトウモロコシやワタです。これらに加えて以下に示す遺 伝子組換え植物があります。なお、青いバラと犬インターフェロンα産生イチゴの作出は 本学会の特別賞を受賞しています。

青いバラ

https://www.suntory.co.jp/sic/research/s_bluerose/

犬インターフェロンα産生イチゴ

http://www.hokusan-kk.jp/product/interberry/index.html

ウィルス抵抗性パパイヤ

https://www2.hawaii.edu/~doisteph/Papaya/rainbow.html

ゴールデンライス

http://www.goldenrice.org

教育用資料

バイテク情報普及会では、教育関係者や研究者が授業・セミナー・講演会等の講義資料 として活用することを目的に作成したパワーポイント資料「遺伝子組換え作物に関するスライド資料」を無料で提供しています。
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関連サイト

遺伝子組換え植物に関するサイトを紹介します。

<各種団体のサイト>