日本植物細胞分子生物学会報 2014年 6月号
1 2014年度学会賞の決定
本年度の学会賞が以下のとおり決定しました。8月21日(木)~22日(金)に開催される第32回日本植物細胞分子生物学会(盛岡)大会・シンポジウムにおいて授賞式と受賞講演(論文賞を除く)がおこなわれます。 (受賞者は50音順、○は代表者、∗は責任著者です。特別賞は該当がありませんでした。)
学術賞(2件)
江面 浩(筑波大学)
「マイクロトムを用いたトマトの学術研究基盤の構築」
田畑 哲之((公財)かずさDNA 研究所)
「植物ゲノムプロジェクトに対する世界的貢献」
技術賞(2件)
○大坪 憲弘1、佐々木 克友1、高根 健一2、古市 真木雄3、加藤 晃4
(1農研機構、2(株)インプランタイノベーションズ、3NECソリューションイノベータ(株)、4奈良先端科学技術大学院大学)
「高翻訳効率発現ベクターと新規蛍光タンパク質遺伝子を用いた光る花の開発」
○松井 南1、市川 尚斉2、中澤 美紀3、高根 健一3
(1(独)理化学研究所、2沖縄科学技術大学院大学、3(株)インプランタイノベーションズ)
「FOXハンティングシステムによる遺伝子機能解析技術の開発とその普及」
奨励賞(3件)
池田 美穂(埼玉大学)
「植物転写抑制因子の分子機能および生物学的機能の解明」
松田 史生(大阪大学)
「二次代謝物のメタボローム分析法の開発と農学への応用」
三浦 謙治(筑波大学)
「低温シグナル伝達機構の分子生物学的研究」
学生奨励賞(3件)
西崎 雄三(東京農工大学)
「アントシアニンのポリアシル化におけるZwitter donorの寄与」
藤野 尚人(東北大学)
「フラボノイド生合成経路におけるメタボロンの実証」
山下 由衣(北海道大学)
「シロイヌナズナCGS1遺伝子におけるリボソームの翻訳アレストと共役したmRNA分解機構の研究」
論文賞(1件)
∗Akihiro Kubo, MitsukoAono, Nobuyoshi Nakajima, Toru Nishizawa, Masanori Tamaoki, HikaruSaji (2013) Characterization of hybrids between wild and genetically modified glyphosate-tolerant soybeans. Plant Biotechnology 30: 335-345
2 中島哲夫先生の訃報
本学会名誉会員の中島哲夫先生が2014年3月に89歳で亡くなられました。中島先生は本学会の創成期において、培養細胞や花粉からの不定胚形成、種間交雑における性的隔離機構克服のための培養技術の確立の研究を進められるとともに、学会活動においても中心的役割を果たされ、1990年~1991年には本学会長を務められました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
3 鎌田博先生の訃報
筑波大学遺伝子実験センター長、本学会会員の鎌田博教授が2014年3月に64歳で亡くなられました。鎌田先生は1984〜1985年に幹事、1994〜1995年に編集委員長、2002年〜2003年に学会長、2006年に第24回大会委員長を歴任されるとともに、2007年に学術賞「植物細胞組織培養技術を活用した分化全能性発現機構に関する研究」を受賞され、本学会の発展に貢献されました。鎌田先生は、不定胚形成を中心とした植物発生生理の基礎研究、毛状根を用いた有用物質生産などの産官学の共同研究、遺伝子組換え食品・植物に関するガイドラインや法律関係の整備から実際の審査への協力などに加え、先端科学技術と一般社会との関係改善に関する貢献として啓蒙活動から初等中等教育における遺伝子リテラシー教育やサイエンスコミュニケーションまで、多方面に忙しく活躍されました。その間、学生にも大変に慕われ、国内外に多くの卒業生を送り出されました。ここに広範なご貢献・ご指導に対しまして深く感謝申し上げますと共に、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
4 幹事交代のお知らせ
4月より大坪憲弘氏が農林水産省への出向により幹事を退任し、新しく小松晃氏((独)農業・食品産業技術総合研究機構)が幹事に就任しました。
5 会費納入のお願い
会費は、一般会員6,000円、学生会員4,500 円、特別賛助会員一口50,000 円、賛助会員一口15,000円で前納制となっております。本年度会費を未納の方は、至急振込をお願いいたします。なお、会費を3 年分滞納した方は退会とみなし、会員名簿から削除いたします。また、会費を納入されない場合は会誌の発送を中止いたしますのでご注意下さい。
6 新規入会者数(2014.5.31.)
21名の一般会員および30名の学生会員の入会がありました。