SEMINAR 市民公開シンポジウム

「健康、生活の質の向上に寄与する石川・北陸発 植物バイオテクノロジー」

本学会の活動を知っていただくために、一般の方々を対象とした公開シンポジウムを開催しております。
過去の市民講座については左のバナーをご覧ください。

日時:2018年 8月26日(日)9時30分~12時30分
場所:金沢商工会議所会館

タイトル:健康、生活の質の向上に寄与する石川・北陸発 植物バイオテクノロジー

9:30~9:40 挨拶
石川県立大学 生物資源工学研究所・三沢 典彦

講演内容

9:40~10:10 講演1.
「石川県伝統野菜の再興に向けたゲノム育種の展開」
石川県立大学 生物資源環境学部 生産科学科・高木 宏樹
 石川県では、食文化や風土に合った伝統野菜が保存・利用されている。本講 演では、ゲノム情報を活用した最新の育種技術による石川県伝統野菜の品種改 良への取り組みについて紹介する。

10:10~10:40 講演2.
「澱粉の性質から考える加賀レンコンの美味しさ」
石川県立大学 生物資源環境学部 食品科学科・本多 裕司
 「加賀レンコン」は石川県のお店でよく見かける加賀野菜の1つである。加 賀レンコンは他府県産のレンコンと比較して、澱粉量が多くて粘りが強いのが 特徴であるといわれている。本発表では、加賀レンコンに含まれている澱粉の 性質から、加賀レンコンの美味しさについて考えてみる。

10:40~11:10 講演3.
「澱粉改変で新しい米をつくる-業務用米開発の試み」
農研機構中央農業研究センター北陸研究拠点(現・農林水産省技術会議事務局)・ 山川 博幹
 イネはゲノム情報が詳しく解読されており、世界中で遺伝子機能の最先端の 研究がなされています。私たち北陸研究拠点では、最新の科学や技術を活用し て、北陸地域の農業生産ニーズに役立つ研究開発を行っている。本講演では、 デンプンの糊化特性を改変して、チャーハンや牛丼などに向く硬めのご飯を開 発した事例について紹介する。

11:10~11:25 休憩

11:25~11:55 講演4.
「石川県の希少野生植物の絶滅を植物バイオで守る」
石川県立大学 生物資源工学研究所・大谷 基泰
      石川県自然保護課・野上 達也
 環境省のレッドデータブック(2007年)によれば、植物の約24%が絶滅の危険 性があるが、その数は年を追う毎に増加していて石川県も同じような傾向をた どっている。そこで、植物バイオ(組織培養技術)を使った野生植物を増殖す る試みについて紹介する。

11:55~12:25 講演5.
「うんしゅうみかん由来β-クリプトキサンチンによる健康作用について」
(株)ダイセル 研究開発本部 コーポレート研究センター・大江 健一
 β-クリプトキサンチンは温州みかんに特異的に含まれるカロテノイドである。 欧米にはβ-クリプトキサンチンを豊富に含む食品がなかったことから、β-カロ テン等に比べて機能的な研究は遅れていた。ダイセルではうんしゅうみかんか らβ-クリプトキサンチンを濃縮する手法を開発すると共に、その健康増進効果 を検証してきたので紹介する。

12:25~12:30 総括