SEMINAR 市民公開シンポジウム

開催案内

日本植物バイオテクノロジー学会・設立40周年記念・市民公開シンポジウム

明日を拓く、
日本発の植物バイオテクノロジー

日時
2021年7月11日(日)13:00〜17:00
会場
オンライン(参加費無料)
参加登録
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※視聴可能人数は1000名(予定)となっておりますのでお早めに登録をお済ませください。
PR動画 ※音が出ます

主催
日本植物バイオテクノロジー学会
※本市民シンポジウムは日本学術振興会科学研究費補助金・研究成果公開促進費 [研究成果公開発表(B): 課題番号21HP0013] の支援を受けて開催されます。
ポスター・フライヤー
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プログラム・要旨集
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開催趣旨

これまで、植物バイオテクノロジーによって新しい品種が生まれ、我々の生活は豊かになってきました。1981 年設立の本学会は、植物バイオテクノロジーと共に歩み、2021 年に40周年の節目を迎えます。本市民シンポジウムでは、植物バイオテクノロジーの40年 間を振り返りながら、本学会の特色である“基礎研究から応用展開まで”の理念と“産学官の強い連携”の歴史、日本発の遺伝子組換え作物とゲノム編集作物の実例を紹介いたします。

講演要旨

【第1部】40年を振り返る~基礎研究から応用展開まで~

今から40年前は、植物バイオテクノロジーという言葉はほとんど聞くこともなく、さまざまな基礎、応用研究のために植物の細胞や組織の培養が行われていた。この時代から遺伝子組換え作物やゲノム編集作物が登場するようになるまで発展してきた軌跡を紹介する。
私たちの生活は植物が作る様々な代謝産物によって彩られている。例えば料理に使うスパイスの香り、衣服を華やかに染める染料、健康を支える医薬品、さらに自動車のタイヤも植物の作る代謝産物である。人間生活を彩るこうした有用物質の生産に関する話を紹介する。
イネの遺伝子組換えは、40年ほど前は夢の技術であった。これまでの40年間で、エレクトロポレーション(1985年)やアグロバクテリウム(1994年)を用いたイネの形質転換が発表され、急速に普及した。これらの裏話・技術革新につながったヒントを紹介する。

【第2部】日本発の遺伝子組換え作物とゲノム編集作物

この40年の間に花の色素がどのような仕組みで合成されるのかがわかってきた。植物バイオテクノロジーを駆使することによって、今までになかった色の花が開発され、青いカーネーションや青いバラが市販されている。もっと色とりどりの花が咲くようになる未来の話を紹介する。
犬の歯肉炎軽減剤「インターベリーα」は、イヌの免疫調整物質を生産する遺伝子組換えイチゴ果実粉末を原薬としている。2013年に世界で初めて動物用医薬品として承認され、全国の動物病院で販売されている。遺伝子組換え作物を使った動物用医薬品開発の実例を紹介する。
ジャガイモの芽にはソラニンなどの毒性物質が蓄積する。我々は、ゲノム編集技術を用いて「毒のないジャガイモ」を創りあげることに成功した。この毒のないジャガイモの開発ヒストリーと、将来の食卓に並べるためのこれからの取り組みについて紹介する。
ゲノム編集技術が出現して10年が経った。日本では2019年にゲノム編集作物の取り扱いルールが明確となり、ゲノム編集作物の上市への届出作業が始まった。高GABA(γ-アミノ酪酸)ゲノム編集トマトの開発と上市へ向けての取組みをケーススタディーとして紹介する。